博士課程進学を勧めてみる

◇学ぶ理由(森博嗣の浮遊工作室
  http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/essay/essay6.html より

仕事と手法が与えられたとき、それを的確に解決できるのが、学士。仕事を与えられたとき、手法を自分で模索し、方向を見定めながら問題を解決できるのが、修士。そして、そもそも、そのような問題を与えることができるのが博士である。

「大学院へ進学して何が良かったか?」ときかれれば、答は「大学院で勉強していた、そのとき、その瞬間が最高に楽しかった」と答えることにしているし、今でも、それが正解だと信じている。

 大学院に進もうか迷っている,博士課程に進むべきかどうかで悩んでいる,博士課程に進んだものの「このままで良いのかな」と不安になっている,そういう人に捧げます.ぜひとも,リンク先を一読してみてください.自分の中の不安に対して,何かしらの答えのようなものが得られるのではないかと思います.
 自分は初めてリンク先の記事を読んだのは学部4年生(4回生)のとき.もともと森氏の小説を読み漁ってて好きな作家さんの一人だったので,発せられる言葉に重みを感じたのだろう.「研究者になろう!」という開き直るきっかけが出来た気がします.
 その後も,何度も読み返してました.修士・博士と学年が上がるにつれて,求められている能力がどういうものかを再確認したいとき,不安を払拭したいとき,研究計画がうまく進行しないとき.冒頭で紹介した文章が妙にしっくり来て,それを指針に学生生活を送ってました.
 研究職は安定しにくい職業です.卒業直後は特にです.将来の不安は尽きません.でも,それを払拭できるほどの研究の楽しさを,私は博士課程に進んでから享受しました.自分の名前で,自分の計画で,自分の手でもって未知の世界を切り開いていけるのは研究者ならではの面白さです.どんな成果であれ,論文として発表できれば,大学や研究所の成果ではなく,自分の名の残る仕事となります.それが楽しさの一つだと思います.