したくない仕事に,気持ちを割り切る

嫌なことは嫌々やれ.好きなことは好きにやれ.
  from 『零崎軋識の人間ノック』(西尾維新).

 やるべき仕事が目の前にあるのだけど,その仕事の内容次第で,前向きな気持ちになれることもあれば,そうでないこともある.後向きな気持ちでやらねばならぬ仕事は義務感が先行するから,気持ちのノリも悪いし,仕事の効率が悪い.仕事に取り掛かるまでに時間がかかる上に,たとえやり始めても,つまらんなあ,早く終わらないかなあと,ネガティブになるばかりだ.
 そんな状況で,気持ちを割り切るためのきっかけとして,このフレーズは役に立つのではないかなあと思う.気持ちの上で割り切れれば,仕事が進むこともある.いつも好きなことばかりができるわけではないからね.


 西尾氏はよく言葉を見ている人だなあ,と思う.氏の作品中にはこういう言葉遊びがたくさん出てくる.一歩引いた位置から言葉を見れることに,ただただ敬服です.
 色々噂になっていたし気にはなっていたのだけど,本の表紙のイラストに尻込みしてなかなか手にとれずにいた.3年ほど前にシリーズの初刊を読み始めたのだが,話の内容と展開のスピード感に強く惹かれ,作品を一気に読み通した経験がある.最近では作品の内容より,「今回はどんな言葉遊びが出てくるのだろう」と楽しみながら読んでいくことが多い.
 このフレーズは作品中で「今から名言的なことを言うよ」という雰囲気をかもし出した後に出てくる言葉なので,このフレーズがいいなあと思ったことに少し悔しさがある.私は負けず嫌いなので.でも,そういう前ふりをがあったのにも関わらず自分の心に引っかかったので,まあ作者の意図に素直に躍らされよう.