楽しく努力する

紹介フレーズ3つ
1. 努力を否定的にとらえる
努力を信じる種族は,なぜにこうも,楽しいことを先へ先へと延ばすのでしょうか.手遅れかもしれないのに.
『グロテスク』(桐野夏生・著)
2. 努力に開き直ってみる
努力は必ず実を結ぶ。それが結果につながるとは限らないけれど
サイコロジカル(上) 兎吊木骸輔の戯言殺し』(西尾維新・著)
3. やりたい事があるのなら,努力を苦痛と思うな
やりたいことを一つ叶えるには,やりたくない事を10も20もやって結果を出さなきゃならないでしょ? それを苦労って感じてしまったら,私にはそれを叶える資格がないってことなんだと思うの.
とあるゲーム

「努力」を「苦痛」と思わないために
 努力とは,将来の自分のため・やりたい事を叶えるため・成果を得るために今の自分の時間を投資すること,なのかな.努力することで得られる苦労・浪費感と,その結果として得られる成果・達成感とを比較して,どちらが勝つのかによって「努力」に抱くイメージが変わる.めざす成果が後ろ向き(一例.成果至上主義が蔓延しているから英語論文を書かねばならぬ)であれば,義務感が先行するから努力は苦痛だ.逆に,めざす成果が前向き(一例.自分の研究成果をより多くの人に知ってもらうために英語論文を書こう)であれば努力への苦痛感が少ない.私自身は,3番目の紹介フレーズに感心させられた.
 どうせ努力するなら前向きに努力したい.「やらねばならぬ」を「やったらこんな嬉しいことがある」と(無理やりにでも)読み替えられれば,気持ちのノリが変わる.努力する内容は一緒なのだから,楽しくやれるに越したことはない.

じゃあ努力すればそれでよいのか?
 努力すること自体に楽しみを見出せれば(マゾ?),苦労を感じない.「努力している自分ってかっこいい」というナルシストはある意味最強かも.もっとも成果が伴わなくても楽しくなっちゃうから,傍から見れば無駄な努力になりかねない.1番目の紹介フレーズにあるように,努力を信じるあまりに今をないがしろにしてしまう可能性がある.2番目の紹介フレーズのように,成果が生まれないこともあるだろう.
 成果を生むことを第一とするのであれば,努力の仕方に気を配る必要もある.達成すべき成果がはっきりしているのであれば,今現在の自分の努力が達成するべき成果に対して適切な努力なのかどうかを判断する必要があろう.

というわけで

  • 努力せざるを得なくなったら,目指す成果に無理にでも前向きな理由をこじつけられれば,少しは楽しく努力できる.
  • 努力すること自体に満足してしまうのを防ぐために,得るべき成果に対して今の努力が適切なのかどうか,という判断は必要かも.