研究記録ブログをつけることの有効性

 以前の記事(研究記録ブログをつけることのメリット)に書いたとおり,自分の研究記録ブログに『思考整理ツール』的な要素を組み込み始めた.始めてから2ヶ月弱が過ぎた.それで自分にとって何が変わったのかをまとめてみる.

やり始めたこと
 日記: 日々得られる反省・教訓をブログに記述する(前回のエントリ参照).
 週記: その週のブログを読み返し,反省・教訓を抽出して「先週の教訓」として教訓集を作る.
 まとめ: 先々週までの教訓集を「教訓まとめ」として1つのエントリにまとめる.

「手帳ブログ」のススメ
 前回の記事には記述しなかったが,ネット上の記事以外で,自らの記述方式を変えたきっかけになった書籍がある(『「手帳ブログ」のススメ』(大橋悦夫・著)).副題に「日々の記録から成功を引き出すブログ術」とあり,思考整理ツールとしてブログを用いる際の参考になった.ブログを始めようと思うが,何を書いてよいのかわからない,という方がいれば読んでみることをおススメする.
 書籍の中の「書きっぱなしではもったいない」という章の中に,以下のような記述があった.
「なるほど!」と思っても,そのままにすごしていればやがてその興奮も記憶も無意識の水面下に沈んでしまいます.「教訓」を書いておくことは,この「なるほど!」を後から引き揚げられるようにひもをつけているようなものです.
 ブログは時系列で自分の記録が残せるのが良い.そして検索やタグを利用すれば,過去の自分のやったこと・考えたことに簡単にアクセスすることができる.教訓というタグを設け,単なる日々の研究記録から,思考したことのみを抽出したエントリを作り始め,その部分へのアクセスを更に簡単にした.

記述方式を変えて,何が変わったか?

  • 日々の生活から気づける反省・教訓が意外と多いという事実に驚いた
    • 今日も昨日と同じ,といういつも通りの生活リズムを送っていても,その時々に思い,考え,感じることは結構違う.意識的にブログに記述しようという姿勢があるから,何かを感じようと積極的な姿勢を生みやすい.
  • 自分がこれまでに得た教訓を忘れずにいることができる
    • 週末のブログ更新時に,必ず「教訓まとめ」を目にする機会ができる.週を振り返るだけでなく,それより前も振り返られる.過去に反省したはずなのに同じ事を反省してたりして,自分の弱点を抽出できる.
  • 自分が何に気をつけて生活しているのか,の傾向が分かる
    • 研究生活を送る上でどういう自分でありたいのか,という傾向が見て取れる.この2ヶ月弱の教訓集を振り返ると,「うまく後輩を指導したい」「前向き・積極的な研究姿勢を持ちたい」という思いを抱いている自分に改めて気づけた.

次なる課題
 反省すること自体は簡単.それを自分の血肉としていけているのか,という疑問が生じる.反省すること・教訓を記述することで一片の満足感が得られてしまいがち.反省は生かしてこそ意味がある.
 得られた教訓を生かせているのか,という「教訓達成チェックシート」みたいなものもやってみると良いかもしれない.

書籍
「手帳ブログ」のススメ

「手帳ブログ」のススメ