眠くならない発表について考える

きっかけ

 大学の講義・学会・ゼミなどの場で様々な発表を聞くわけだが,その中で聞いていて非常に楽しい発表とそうでない(眠くなる)発表がある.当然,話題に興味がなければ眠くなることが多いけれど,稀にそこまで興味がない話題のはずなのに聞き入ってしまう発表があった.
 眠くならずに思わず惹き込まれる発表はどんな発表だったか.2点挙げてみる.

考察
  • 「聞いてほしい」オーラ

 発表者自身が非常に楽しそうに話している発表は眠くなりにくい.「こんなことわかっちゃったよ!」「この図を見せたかった!」というようなオーラが発表者から出ていて,テンションも高め.学校で起こった楽しい出来事を親に嬉々として話す子供みたい.こういう発表者には笑顔がこぼれている.
 あまりの妙な勢いに苦笑が出ることもあるけれど,苦笑が出た時点で惹きこむ事には成功しているといえる.

  • 発表の流れの中にある「考える」時間

 受身になって緩慢に聞くだけの発表は眠くなりやすい.ということは,聞き手に能動的に思考させる時間を持たせられれば眠くなりにくいはず.
 今までに見た事のない新しい図は能動的な思考を促しやすい.図をどのように見ればよいのか,どのように解釈すればよいのか,図から何が言えるのか,など.はじめから図に矢印や囲み線を示してしまうのは,図の見方を「考える」時間を奪ってしまうことになる.
 始めに疑問を提示して,最後にその疑問を回収する.そいうった,ちょっとした演出があるかどうかで聞き手の興味が変わる.発表を聞きながら,問題解決を一緒にしているかのような臨場感を出せたら,とてつもなく面白い発表になっていそう
 そういった意味では「分かりやすい発表」を追い求めて,伝えたい情報の全てをスライドに書ききってしまうようなスキのない発表は,かえってマイナスになるのかもしれない.聞き手に考える余地を残すのも必要かも.

思ったこと

 単なる報告であれば事実を淡々と述べる方が適しているけれど.学会などの発表ではもう少し砕けた感じでもよいかもなあと思う.がちがちな発表で聴衆が興味を失うくらいなら,演出を加えて少しくらいドラマティックな発表をしても良いかもね.アメリカ人とか上手そう.

 「わかりやすい発表」と「面白い発表」が同列でないことに気づいた.今すぐなるのは難しそうだけど,そういう演出込みの発表ができることを目標に.

というわけで,まとめると

 眠くならず惹き込む発表をしたければ「ワクワク感」「臨場感」を聞き手に抱かせる.