忙しい日本人の年末

 まずは引用から

 昨日までケーキだプレゼントだチキンだと言っていたのに,いきなり正月飾りだ餅だおせちだと言い始める.飲んで騒げればなんでもいいのだと言ってしまえばそれまでだが,新年といっても取り立てて変化のない,静かな海外の年末に比べると,暮れになるとダブルヘッダーで準備を進める日本人の器用さ,変わり身の早さ,なんどもかんでも全て年内に済ませようと行事を押し込む強迫観念には,なんだか騙されたような気分になる.
クレオパトラの夢』(恩田陸

アメリカの年末
 クリスマスのウェイトが大きい.クリスマスイルミネーションが街中に見られ(役所や空港の中も),各家庭で飾り付けをする.クリスマスツリーとして,モミの木がホームセンターでたくさん売られてた.イミテーションではなくて,生の木を買うのが普通なのだそうだ.
 レストランの中でもラジオからも様々なクリスマスソングが流れる.毎日こんな生活を見ていると(毒されるというか)影響を受けるというか,非常に陽気な気持ちになっていくよな.楽しい気持ちが充実するのはよいこと.
 クリスマス飾りつけは25日で終了するのではなく,年明けくらいまで続けておくこともあるみたい.Merry Chiristmas & Happy New Year.年始のために新たに何かをするということは少ない.日本の「良いお年を」と同じニュアンスで「Merry Chiristmas」を使う.

日本の年末
 冒頭にも紹介したが慌しい.25日→26日に街からクリスマスイルミネーションが消える.特にデパートの中の変わりようが楽しい.流れる音楽の質も楽しげなものから厳かなものに変わる.
 紹介した文では日本の年末をネガティブ気味に描いているが,自分としてはそんな状況を見ているのが楽しいので,日本の年末も好き.楽しいことがたくさんあるに越したことはない.