「博士卒」の立場から

きっかけの記事

 自分自身がちょうど似たような境遇にあることもあり,読み入ってしまった.博士卒の就職難については,似たような記事をいくつか読んだことはあるけれど,親の立場から見ているというのが斬新だった.自分も親に心配かけているのだろうな.

システムができたとしても
 企業が「博士卒」を受け入れてくれるようなシステムを作ってくれることは大変に有り難いことだし,選択の幅が広がるのは大変に喜ばしい.でも自分はというと,そういう選択肢があったとしても率先しては選ばない気がする.曲がりなりにもここまで積み上げてきた研究実績があるので,どうせならそれを生かせる仕事をしたいという気持ちがはたらく.できることなら自分のやりたい分野で研究職に就きたい.
 「博士卒」で,私と似たようなことを思っている人が多いのではなかろうか.となると企業がシステムを作ってくれるよりは,研究職ポストが増えることの方が嬉しいなあ.と,こんな感じに,妙に自分の研究に自信を持ってしまうことで,視野の狭い考え方になってしまうのかもしれない.これも「博士卒」就職難の一因であろう.

スポーツのプロ社会との共通点
 スポーツのプロ社会は厳しい.結果が残せなければクビになる.途中でドロップアウトしてしまった人たちはどのようにして生活しているのだろうか? 何かしらの受け入れ先があるのだろうか,それとも路頭に迷うのだろうか.「博士卒」を取り巻く環境と似たようなものがあるんじゃないのかな,とふと考えた.